室内の空気が家族の健康を守る

 

「家づくりで大切なことは何でしょうか?」

省エネ性・デザイン性・耐震性など、大切なものは人によって様々だと思います。

その中で健康も家づくりにおいて欠かせないものだと「くらし.ism」は考えます。

そこで特に重要と考えているのが「室内の空気」です。

室内の空気環境を良くすることでそこに住む家族が健康な毎日を過ごすことができると思います

 

こどもの方が大人よりも化学物質の影響を受けやすい

~体重1㎏で比較すると、こどもは大人の2倍近くの量の化学物質を体内に取り込んでいることになる。

つまり、こどものほうが化学物質の影響を受けやすいということになる!~

●食事量の比較●

こども(1~6歳の体平均重15㎏):1日の食事量1193g(80g/㎏)

↓約2倍

大人(標準モデル体重50㎏):1日の食事量2029ℊ(40g/㎏)

●空気量の比較●

こども(1~6歳の平均体重15㎏):1日の呼吸量は9.3㎥(0.62㎥/㎏)

↓約2倍

大人(標準モデル体重50㎏):1日の呼吸量は15㎥(0.30㎥/㎏)

飲食物よりも体に取り込む量が多い「空気」

実は、人が一生のうち体内に取り込む物質で1番多いのが「室内の空気」です。1日の中で室内で過ごす時間は21時間。移動中の電車や学校・仕事場なども含まれるが基本密閉された空間で一日の大半を過ごしていることになります。飲食物は人体の物質接種量の中でわずか15%ほどです。そんな中、約60%が「室内の空気」。人が1日に吸う空気は重さにして約21㎏、飲食物の約7倍と言われています。健康に暮らすために、飲み物や食べ物は選べますが、呼吸する空気は選べません。そこで、家の中の空気環境をよくすることが大切だと「くらし.ism」は考えます。

室内の空気環境を考える

住宅に使われる建材や塗料、接着剤などから発生・拡散する化学物質などで室内の空気が汚れ、吸い続けることで、場合によってはアレルギーや喘息、シックハウス症候群などになってしまうこともあります。厚生労働省は2002年に13種類の化学物質について濃度指針値を定め、さらに2003年には国土交通省が建築基準法を改正し、2つの化学物質を規制しました。また、新築や増改築の住宅には24時間換気する設備の設置を義務化しました。しかし、近年では規制された化学物質の代替物質が使われ、規制と代替物質探しの関係は延々を続き、今後も新たな物質による健康被害が繰り返されることが予想されます。

昔の家は壁の隙間から風が通り抜けていたので、室内の空気はそれほど問題にはなりませんでしたが、最近の気密性や断熱性が高い家では空気の汚れが溜まり危険な状況です

床面近くに潜む危険

室内に発生した化学物質のうち空気より重い物質は床面近くに滞留します。床面付近で生活の大半を過ごすお子さんは、建材や接着剤などから揮発した有害な化学物質を大人より多く「空気」として吸い込んでしまっているのです。このような室内環境で大丈夫でしょうか。お子さんのための食事に善し悪しがあるように、室内の空気にも善し悪しがあります。建材に使われる化学物質は種類も色々、その数も毎年増え続けているのです。建材の施工性やコスト追及などの陰で、安全が見落とされているのではないでしょうか。

しっくいの家

建材を選ぶことは、空気を選ぶこと

室内の空気が汚れる主な原因には、ハウスダストや建材から放散される化学物質(揮発性有機化合物)などがあげられます。ハウスダストはこまめに換気や掃除をすることで解消できますが、後者はリフォームしない限り空気を汚染し続けます。その「空気」を作っているのが、室内に使われる材料、建材ということです。ですので、室内の空気をきれいにすることは「建材選び=空気選び」と考えるべきではないでしょうか。