Natural stone
天然石の屋根「クールーフ」
重厚な美観と自然な優しさ、
軽くて涼しい天然石の屋根「クールーフ」
クールーフ工法は天然石である粘板石を使用しています。
粘板石とは数億年にもわたり泥質堆積岩が圧密された地層の地下深くで、地殻変動によってもたらされた高温・高圧によって生じた岩石です。
この岩石は板状に加工しやすく、建材材料として古くからヨーロッパなどで屋根材として利用されてきました。
数百年もの風雨に耐えて、現在にその美しさを保っているヨーロッパの街並みには欠かすことのできないものとなっています。
クールーフ工法はこの石を独自の工法で葺く石の屋根です。
クールーフ工法の特長
①屋根裏部屋が暑くない
当社独自の工法により、屋根部の熱を自然の風力で自然換気することで従来の屋根以上の涼しさを実現。
②石だけれども軽い
広い面積の石を独自の引っ掛け工法で葺くので重ねしろが少なく、現在普及している和瓦に比べ約30%も軽く葺くことができます。そのため屋根が重くならないので地震の揺れなどに対しても構造躯体に負担がかかりません。
③環境・エコロジー・健康
天然石ですので廃棄時に二酸化炭素や有害な化学物質を排出しません。また、引っ掛け工法なので石に傷を付けることなく再利用が簡単にできます。
天然石の分類
岩石は形成方法によって、「火成岩」、「堆積岩」、「変成岩」の3つの種類に分けることができます。火成岩はマグマが冷え固まってできた岩石で、地上もしくは比較的浅い地下で固まった火山岩と、地下の深いところで固まった深成岩に大別されます。堆積岩は水や風によって砂や土、動物などの死骸が堆積してできた岩石。何が堆積してできたかにより、石種の特徴が異なります。変成岩はもともと堆積岩や火成岩であったものが高温や高圧などの条件に晒されて、鉱物の組み合わせや組織が変化したものです。岩石は産地によりやわらかさ(加工のしやすさ)や色み、質感などのさまざまな個性があります。
天然石(クールーフ)ができるまで
無添加住宅開発者が建材を世界中で探し求めていた時、たまたま寄り道をしたのが「アンドラ公国」という国でした。そのアンドラ公に国実在する石屋根の家をヒントに日本での石屋根(クールーフ)の導入をしました。そんなクールーフは粘板岩が採れる山を削り生産するので同じものが二つとない世界でたった一つの天然石なのです。
①クールーフの原産地は多くの粘板岩が産出される南米のブラジル。
②山を削り、クールーフが加工できる大きさに天然石を採掘する。
③クールーフとして使えるように石をカットする。
④加工後は輸送のためにしっかりと梱包し順次出荷していく。
⑤特許技術のクールーフ工法により天然石を屋根に施工。
⑥天然石を葺き終わると外観の天然石が創る独特の風合いとなる
Q&A
- 10年後、30年後、メンテナンスは必要ですか?
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天然石なので化粧スレートのように15年に一度の塗装などのメンテナンスは必要ありません。石屋根の耐久性と持続性は何百年と経って美しく現存するヨーロッパ石屋根を見れば一目瞭然です。ただ、石と石との間に配置している「水切り金具」がガルバリウム鋼板という部材で作られており、耐久性や防水性などに優れておりますが、何十年後かにはメンテナンスが必要になる場合がございます。そこでさらに耐久性のあるステンレス製の「水切り金具」も取り揃えております。ステンレス製は半永久的に錆びることがありませんのでメンテナンスもフリーです。
- 石なのに重たくはないのでしょうか?
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クールーフは1枚が600角と大きいですが、瓦に比べ重なる部分が少ない為、平米あたりの重さは瓦と化粧スレートの間に位置します。クールーフの平米あたりの重さは約285N/㎡(29㎏/㎡)ですので、耐力壁計算時の基準である建築基準法施工令第46条、および構造検査時の基準である建築基準法施工令第84条より、クールーフは設計時に軽い屋根として計算できます。
- 地震で割れたり、落ちたり、台風で飛んだりしないでしょうか?
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大きな地震で割れや剥離の可能性はあると思います。ただ、瓦のようにほとんどが崩れて落ちるということは極めて少ないと考えています。2011年に起きた東日本大震災でも、割れや落下などの事例はございませんでした。
クールーフは建築基準法に基づいた耐風圧試験を行っており、風速46mまで耐える結果が出ています。試験の結果から各地の基準風速に基づき、石が飛ばないように端部用フックの施工を推奨しています。
- どうして夏涼しいのですか?逆に冬は寒くならないですか?
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夏は石の屋根が日傘のような効果をもたらします。日傘は太陽の光を遮り横からは風を受けるので涼しいのですが、クールーフも同じ原理です。夏の晴れた日は必ず風速2~3mの風が吹いています。その風が石葺きの隙間を利用して、屋根部の夏を自然換気してくれるのです。
当然、石自体は非常に熱くなりますが、その隙間のおかげで熱が下の面まで伝わらないのです。
ロフトや勾配天井をされる時はクールーフをおススメします。
次に冬ですが、クールーフだからといって寒いということはありません。その答えは夏涼しく・冬暖かい家を造るにはどうしたらいいのかを考えると見えてきます。夏に室内を涼しく保つには外部からの熱を遮り、また冬暖かく保つには室内の熱を外に逃がさないことが重要です。建物の断熱材は冬暖かく暮らすのに重要な部分です。このことから断熱性能を確保すれば屋根がクールーフであっても暖かく暮らせるということになります。
- 石の隙間から強風で雨が入ってきたりしませんか?
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建物内に水が浸入(雨漏り)することはありません。確かに石と石の間に隙間があるので台風などの強風の場合、隙間から水が入ることがあります。ですが、石の下には防水紙を敷いていますので、建物内へ水が入ることはありません。勾配が緩い屋根では、勾配のきつい屋根に比べて石と石との間から水の侵入が予想されます。そのような場合には波板を石の下に設置し水の侵入を防ぐ対策を行っています。風の強い地域で雨漏りが必要な場合は防水紙を二重に施工するなどの対策をご検討ください。また、石と石が重なって付いているように見えますが、石と石との間には「水切り金具」という部材が入っているので10㎜程度の隙間があって毛細管現象で野地板まで水が浸入することもありません。
- 石葺き屋根の家は建築費が高くなりませんか?
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良質の粘板岩を海外より大量に直輸入している為、石のコストをかなり抑えております。従来の石葺きの常識を覆すコストパフォーマンスなっておりますので高くはないと自負しておりますが、建築後のメンテナンスに掛かる費用などをトータルに考えても決して高くはありません。
屋根材比較表
屋根は外壁と同様に人と建物を雨や雪、紫外線や熱などの自然環境から守るための重要な役目を持っています。例えば、屋根材の塗装が剥げると紫外線や太陽光などで数年の間に劣化し、防水性が低くなって雨漏りや躯体にカビが生え、家の寿命を縮める原因になります。見た目も良くない外観になってしまいます。現在よく使われる屋根材には様々なものがありますが、化粧スレートなどは10年前後で再塗装のメンテナンスが必要ですし、その費用がかなり掛かってしまいます。新築・リフォーム時に屋根材を選ぶ際には慎重に考えることをおススメします。
クールーフ | 粘度瓦 | 化粧スレート | セメント瓦 | ガルバリウム鋼板 | |
耐風性 | △ | △ | ◎ | △ | ◎ |
耐候性 | ◎ | ◎ | × | △ | △ |
耐食性 | ◎ | ◎ | × | △ | △ |
耐寒性 | △ | ◎ | △ | △ | ◎ |
耐熱性 | ◎ | ◎ | △ | ◎ | × |
吸遮音性 | ◎ | ◎ | △ | ◎ | × |
防汚性 | ◎ | ◎ | × | × | △ |
遮熱性 | ◎ | △ | × | △ | × |
耐震性 | ◎ | × | ◎ | × | ◎ |
補修性 | ◎ | × | △ | △ | ◎ |
廃材処理の容易さ | ◎ | ◎ | × | △ | △ |
1平米あたりの重さ | 約29㎏ | 約45㎏ | 約18㎏ | 約44㎏ | 約5㎏ |
メンテナンスの必要時期 | 40~50年 | 50年 | 10~15年 | 15年 | 20年 |
メンテナンス内容 | 水切り部材 | 葺き替え | 塗装 | 塗装 | 塗装 |
現在一般の住宅でよく使用されている屋根材
- 粘土瓦
粘土をベースに焼いた瓦で他の屋根材に比べて重い。耐震性・補修性に難あり。 - 化粧スレート
セメントを高温高圧下で養生・成型した板状の合成スレートに着色したもの。以前は不燃性を保つためアスベストを使用していた。耐久性に難あり。 - セメント瓦
セメントと砂から作った瓦。セメント瓦はそれ本体には防水性能がないので防水性能を維持するために塗装が必要。重いので耐震性に難あり。 - ガルバリウム鋼板
鉄板を基材としてアルミニウム、亜鉛、シリコンからなるメッキ鋼板。耐久性の高いシリコンやフッ素樹脂を塗装。耐熱性・吸音性に難あり。