米のり

-Rice glue-

米のりは日本の鎌倉時代から使われ始め、当時は「続飯(そくい)」と呼ばれており、仏像や掛物、家具、建具などの木製品の接着剤として使用されていました。米のりの最大の特徴は人が食べられるくらい安全ということです。

主な接着剤の分類

接着剤は主に無機物から構成される無機系接着剤と有機物から構成される有機系接着剤に大別できます。無機系接着剤は無機物から構成される接着剤でモルタルやケイ酸ソーダ、セラミックなどの種類があります。一方の有機系接着剤は有機物から構成される接着剤でデンプン系やたんぱく系、天然ゴム系の接着剤、合成樹脂系接着剤などがあります。接着剤は私たちの様々な場面で携わっています。

主な接着剤の分類

「米のり集成材」ができるまで

無添加住宅では米のりを木製品の接着剤として使用しています。その米のりを接着剤に使用した米のり集成材はインドネシアにある提携工場で製造しています。より良い建材をお客様に提供するためこの工場では原木の伐採から製品にするまでを一貫して管理し、一つ一つ丁寧に手作業で商品づくりを行っています。

①練った米のりに熱を加えながら混ぜる。
②フィンガージョイントに米のりを塗布し木材同士を連結させる。
③さらに木材を連結させるためローラーで米のりを木材に均一に塗布。
④米のりを塗布した木材をプレス機で合わせ、一日固定。
⑤インドネシア工場から積み込みし、日本の工場へ運搬。
⑥全工程を終え、お客様のもとへ。安心・安全な米のり集成材。

米のりを塗っている様子
米のりを塗っている様子

よくある質問

米のりはカビが生えたりしないのですか?

米のりは製造工程にて接着後、十分に乾燥させて水分を飛ばしていますので、その後米のりが原因でカビが発生する可能性は低いと考えています。ただ、常時濡れてしまうような場所、または湿度の高い場所については米のりは不向きで米のり接合部によらず、木材全体にカビが発生しやすいです。

米のりはすぐに剥がれたりしないのですか?

米のりは米が熱によってα化(高分子化)することで「のり」になります。α化したものは大変耐久性があり、仏像などにも使われており、100年以上持つと言われています。ただ、米のりは水が直接かかると剥がれやすくなるので、水まわりに米のりを使う場合は無添加ワックス(当社商品)を塗布していただくと防水効果を高めることができます。

米のり集成材は虫が喰ったりしませんか?

米のりは人間が食べられるくらい安全ですので虫にとっても同じようなことが言えます。ですのでその対策として米のりの中にホウ酸を入れて防虫対策を施しています。虫はホウ酸を一度摂取すると体外に排出できないため代謝がストップし死に至りますが人には腎臓の働きでホウ酸を排出できるため過剰に摂取しない限り安全な物質を言えます。

米のりの特長

無添加住宅ではデンプンが主成分の米のりを木製品の接着剤として使用しています。人間が食べられるくらい安全な素材である米のりの特長をご紹介します。

人にやさしい安全な素材

無添加住宅では木材の貼り合わせなどに手づくりの「米のり」を使用しています。昔の大工さんは朝一番ご飯を木板の上で竹べらでこねるのが仕事だったそうです。米のりの最大の特長は人間が食べられるくらい安全性が高いことです。当然ですが、揮発性有機化合物(VOC)による室内空気汚染もありません。

木材との相性がよい「米のり」

木材と相性が良い米のり。米は熱によってα化(高分子化)し、固まるとセルロース、つまり木と同じようなものに変化します。気温や湿度によって多少集成材が膨張したり、収縮しても米のり自体が木と一体化するので剥がれにくいのです。一方、化学物質系の成分は徐々に成分が劣化することや木との収縮率の違いで剥がれが生じやすくなります。

米のり接着剤