しっくい 

-美しい風合い-

-stucco-

漆喰(漆喰)とは?

漆喰の主成分は「消石灰」。そこにスサや海藻のりなどを加えたものが漆喰です。漆喰は優れた調湿性能や消臭性能、VOC(揮発性有機化合物)吸着性能などがあり、漆喰を用いることで健康で快適な空間を創ることができます。

しっくい外観

漆喰の原料は「石灰石」

石灰石は主に方解石(炭酸カルシウム)という鉱物からできている岩石です。石灰石は長い歳月をかけて海中のサンゴや海洋生物が堆積して地層化したものです。全国の石灰石の主な採掘場所は栃木県「野洲灰」、岐阜県「美濃灰」、滋賀県「近江灰」、高知県「土佐灰」、大分県「津久見灰」などがあります。無添加住宅では中でも白度が高く、耐久性のある高知産の石灰石を使用して無添加住宅オリジナルしっくいを作っています。

無添加住宅オリジナルしっくいができるまで

原料は石灰石。その石灰石を加工し、海藻のりやスサを加えたものが漆喰です。漆喰に水を加えて壁に塗ると乾燥して空気中の二酸化炭素と化学反応して再び石灰石と同じ成分に戻っていきます。また、漆喰が硬化する過程で空気中の二酸化炭素を吸収することから環境にも優しい建材だと言えます。

①無添加住宅の漆喰は良質で白度の高い高知産の石灰石を使用。

②石灰石の発掘を行い、加工しやすいように細かく粉砕。

③石灰石(CaCo3)を1000℃で加工し、生石灰

④生石灰(CaO)に水を加えると消石灰(Ca(OH)2)になる。

⑤消石灰に保水材として海藻のりを加える。

⑥さらに繊維状のスサを加えることでひび割れを防止。

⑦各素材を混ぜ、完成。

⑧建築現場では粉末状の漆喰に、水やサラダ油などを加えて練り合わせる。

⑨左官工の手で壁にコテで漆喰を塗り、仕上げていく。

⑩施工後は空気中の二酸化炭素を吸収し、徐々に元の石灰石に戻っていく。

無添加住宅オリジナル漆喰ができるまで
自然のサイクルに従って元の石灰石に還っていく循環型の建材「漆喰」

無添加住宅オリジナルしっくいの15の特長

無添加住宅オリジナルしっくいは化学物質である接着剤を一切使わない安心・安全な塗り壁材です。

①安心・安全な素材

オリジナルしっくい成分表
各壁材から放出される物質調査

無添加住宅オリジナルしっくいは消石灰・寒水石を主成分としています。化学接着剤を全く使用せず、収縮防止・補強のために繊維状のスサ、保水材として海藻のりを加えて作っています。また、安全性をさらに明らかにするため、国内基準であるJIS A1901の試験方法に準じて、「無添加住宅の漆喰から放出される物質調査」を愛媛大学と共同で実施。加えて比較材料として他社の壁材も同様の試験を行いました。結果、無添加住宅の漆喰からは有害な物質がほとんど検出されず(※1)、他社の漆喰からは有機溶剤成分(※2)、ビニールクロスからは石油由来成分(※2)、珪藻土からは防腐剤成分(※2)が主に検出されました。今回の試験結果では自然素材だからと言って安全だということではなく、素材の細部まで化学接着剤を使用しないというこだわりが数値をして示されました。

研究機関:2018年4月1日~2019年3月31日
試験名:建築材料の揮発性有機化合物(VOC)、ホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物放散測定方法
定量測定:チャンバー法(JIS A1901)
【チャンバー法とは実際の居室を想定して換気を行いながら建築材料から放散される揮発性有機化合物(VOC)やホルムアルデヒド及び他のカルボニル化合物の濃度を測定するものです】

※1 無添加住宅の漆喰に吸着した周囲の微量成分が試験の際に検出されたと考えております。また仮に無添加住宅の漆喰の試験結果を室内環境に換算した場合でも人体に悪影響を及ぼす可能性が極めて低い数値となっています。
※2 有機溶剤成分または石油由来成分、防腐剤成分の多くは、石油由来の人口的な物質のことです。中には厚生労働省が特に有害だと指定している物質も含まれています。

②ウイルスを不活化

コロナウィルス不活化

オリジナルしっくいの表面にヒト・コロナウイルスを付着させる試験(※)を行い、「ウイルスが5分間で100%不活化(死滅)する」ということがバイオメディカルサイエンス研究会の試験結果で明らかになりました。しっくいの主成分である消石灰は強アルカリ性でたんぱく質を分解する性質があるためヒト・コロナウイルスと同じカテゴリーとされるエンベロープウイルスの周りを囲んでいる脂質層に含まれるたんぱく質を破壊し、ウイルスを不活化させることができます。またインフルエンザウイルス(A香港型:H3N2)でも同じ不活化試験を行い、同等の結果が確認できています。今回の試験結果ではオリジナルしっくいが抗ウイルス性を持つことが実証されました。


※ヒト・コロナウイルス(HCoV-229E)は新型コロナウイルス(COVID-19)とは異なるウイルスです。また100%不活化(死滅)は検出限界以下であることを示しています。
※今回の試験は「テストピース」を用いたもので建物の性能を示すものではありません。
※本試験はISO18184に準拠したものです。ただしヒト・コロナウイルスが5分間で不活化した結果に関しては基準外での試験結果となります。

③調湿効果

人間にとって快適な湿度は「40~70%」です。漆喰は微細な多孔質の素材であるため、優れた吸湿・放湿性があります。空間の湿度を適度に調節することで結露を抑え、カビ・ダニの繁殖を防ぎ快適な室内空間を実現します。また、湿度の高い夏はジメジメした湿気を吸い込み乾燥した冬には湿気を放出し、季節に関わらず居心地の良い室内環境を保ちます。そのような効果がある漆喰は呼吸する壁とも言われています。

調湿性能

④消臭効果

人に不快な印象を与えるトイレやゴミ、人の生活臭、ペットなどのさまざまな臭い。消石灰が主成分で多孔性である無添加住宅オリジナルしっくいは、このような不快な臭いを吸着浄化する優れた機能があります。実際に漆喰の壁を施工した老人ホームやペットを飼っているお施主様からも喜ばれています。

⑤VOC吸着

化学物質を吸着分解

漆喰は有害な化学物質を排出しないだけでなく、シックハウス症候群の原因となるトルエンやキシレンなどの有害な化学物質を吸着し分解します。それは多孔性である漆喰に物質が吸着し漆喰の強アルカリ性による酸化還元作用によって空気中のトルエンやキシレンなどの化学物質を分解します。

⑥省エネ性

実建物での夏季冷房、冬季暖房実験で一般的なビニールクロス内装仕様の居室よりも漆喰内装仕様の居室の方がエアコンの電力総量が約16%減少することがわかりました。これは漆喰の室内調湿効果により外部温度の影響を受けづらく、エアコンの急激な温度調整が少ないことで電力削減につながっています。

⑦抗菌性

漆喰は強アルカリ性のため有機物を分解する殺菌機能があります。漆喰の主成分である消石灰の作用により、細菌の生育・増殖を抑制します。また、菌でも有効な菌(麹菌など)を活かす作用もあり、その知恵は昔から酒造、味噌の醸造場の室内壁に使用され発酵に良くない有害菌の繁殖を抑制してきました。

⑧二酸化炭素を吸収

漆喰は空気中の二酸化炭素を吸収し、長期的に固まり続けます。主成分である消石灰は空気中の二酸化炭素を吸収し続け、石灰岩に戻ります。これを炭酸化反応を言います。消石灰は短期間に一気に炭酸化されるのではなく長い時間をかけて徐々に炭酸化し石灰岩に戻ります。建材としては劣化せず、逆に石に近づいていこうとする性質があります。

⑨デザイン性

漆喰壁はどのような住まいにもマッチする仕上がりをサイディングやビニールクロスなどの新建材では表現できない自然素材の建材ならではの独特なデザイン性があります。漆喰を塗る左官職人が行う丁寧な手仕事ならではの微妙な陰影や温かみが上質な雰囲気を醸し出し、空間に味わいが生まれます。そのような漆喰壁は時間が経っても劣化することなくいつまでも飽きの来ない外観デザインや内装インテリアを演出し続けます。またさまざまなテクスチャーバリエーションもあり、ベンガラなどで着色も可能です。

⑩部屋が明るくなる

漆喰は施工後、空気中の二酸化炭素と反応し元の石灰石に戻っていきます。その石灰石の中に方解石という結晶があり、その方解石を含んだ漆喰は光に対する反射率(70~85%)が極めて高いため室内の部屋を明るくさせます。そのような性能を取り入れることで漆喰面に光が反射するように窓や照明器具を設置することで省エネにもつながります。

⑪太陽光の反射

漆喰の中にある方解石が太陽光の熱源である赤外線を反射させるため、外壁に熱が溜まりません。サイディングの壁(51℃)と漆喰の壁(34℃)の表面の温度を比較計測した場合、同じ白い壁でも17℃の温度差があることがわかりました。

⑫耐火性

漆喰の主成分である消石灰は無機物であり、不燃物の物質ですので燃えにくく防火機能に優れています(効能評価試験済)。そのため、化学建材のようにダイオキシンなどの有害ガスが発生することもありません。昔の城や蔵が漆喰で塗られていたのも漆喰が火に強いからなのです。

⑬ペットや植物にも良い環境

室内環境に敏感なペットや植物たちは空気がきれいな中では元気よく育ちます。ペットは室内空気の影響を人間以上に受けています。それは犬や猫などは身体が小さく化学物質の代謝解毒能力が人間よりもかなり劣っているためです。

ペットに優しい無垢材

⑭静電気を帯びにくい

無添加住宅オリジナルしっくいには化学接着剤など余計な物が入っていないので静電気を起こしません。壁紙などは基本的に静電気を帯びるのでホコリや花粉などが壁に付着し黒く汚れる原因になります。一方、静電気を起こさない漆喰は長期的に白く保つことができます。また静電気防止効果でタバコのヤニ汚れも壁紙に比べてつきにくい魅力もあります。

⑮簡単メンテナンス

ちょっとした汚れであれば消しゴムで落とすか、カッターで削って汚れを消します。多少の割れが発生した場合は補修用漆喰を刷毛で塗れば元通りになります。これらはお客様ご自身でお手入れすることが可能です。また壁紙ははじめはキレイですが一旦汚れると新しく貼り替えるしかありません。その点漆喰は年数を重ねるごとに深みが増していきます。

よくある質問

無添加住宅のオリジナルしっくいは他社のものとどこが違うのですか?

他社の漆喰とは原料や素材の質、製造工程が異なります。中でも一番の違いは化学接着剤を全く使用していないことです。実際に100%自然素材と謳っている他社製品の漆喰を燃やしてみると石油の臭いがするものもあります。

漆喰には色をつけることができますか?

漆喰にベンガラを混ぜることで様々な色をつくることが可能です。ベンガラとは酸化鉄を主成分とした天然素材の顔料で現在は塗料や研磨材としても用いられています。こども部屋や寝室だけ壁の色を変えて風合いを変えることもできます。ただし、補修の際に色を合わせることができないというデメリットもあります。漆喰はその時の温度や混ぜ方によって同じ配合でも仕上がりは違ってしまいますのでその点はご注意くださいませ。

漆喰は金額が高いと聞いたことがありますが、ビニールクロスと比べてどうですか?

漆喰はビニールクロスと比べて施工期間を有するため初期費用は高くなりがちです。ただし、漆喰はビニールクロスを違い経年で劣化することがないので、ランニングコスト(維持費)で見ると決して高くはないと考えています。

珪藻土と漆喰の違いは?

珪藻土は藻類(プランクトン)の死骸が海底や湖底に長年にわたって堆積してできた粘土状の泥土で、古くから七輪や耐火煉瓦の原料、酒やビールのろ過材、吸着や脱臭財などに幅広く利用されています。珪藻土と漆喰の大きな違いは漆喰はそれ自体が固まる性質や抗菌性を持っているのに対し、珪藻土にはその性質がないので、仕上げ材に使用するためには固化材(接着剤)や防カビ材などの補助的物質が必要になってくる点です。そこで問題なのがその寿命や安全性です。固化材が劣化すれば珪藻土はバラバラになってしまう可能性があり、また防カビ材などの配合物質がシックハウス症候群の原因になる可能性もあるということです。珪藻土を壁材として使用する場合はこの点に注意必要があります。