接着剤の寿命が住まいの寿命
みなさんは現在建築で使われている接着剤はどのようなものかご存知でしょうか?
プラスチックをシンナーなど(有機溶剤)で溶かしたものが一般的に使われている化学接着剤です。
化学接着剤を使って木を貼るとシンナーなどの有機溶剤が揮発して元のプラスチックに戻る、という性質を利用しているのです。
ここで揮発するシンナーなどがシックハウスの原因と言われています。
また、木は湿度によって膨張したり、収縮したりを繰り返すので、接着部分が分離して剥がれてきます。それとともにプラスチックも劣化していきます。
ドア、キッチン、洗面台、お風呂など新建材を使った現代の住まいの板は全て合板です。プラスチックの劣化で合板もボロボロになってしまいます。
化学接着剤の寿命が住まいの寿命となってしまうのです。
これが日本の住宅寿命が30年と言われる理由の一つです。
天然の接着剤「米のり」
無添加住宅では室内建具やキャビネットの扉などに使う集成材は「米のり」で接着しています。
「米のり」は日本では奈良時代のころから建具などの接着剤として「続飯(そくい)」と呼ばれて使われ始めたようです。
接着力は木工用の合成接着剤と同等です。耐久性に優れているので、防水をきっちりとしていれば300年以上持つと言われています。
たくさんのパーツを「米のり」で貼り合わせた仏像が良い例かと思います。
